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第35回活動報告 きいろいバケツ25年9月14日

運動会シーズンのため、少人数でした。
その代わり、黄色いバケツを例にして、国語の授業方法をじっくり話し合いました。
大造じいさんガンについても、大事な場面を探しました。

黄色いバケツの「バケツ」から問題を作ろう

 一読して、およそのあらすじは分かります。しかし、それは受動的な読みです。
 今までの生活体験にからめて、多分こんな感じだろうと勝手に思い込んでいます。
 それを、文や言葉を調べて確かめる、能動的な読みに変えたいと思います。
 「黄色いバケツ」は題だから、大事な言葉です。この言葉を調べると、きっと主題に近づきます。
 「『バケツ』を使ってで、できるだけたくさんの問題を作りなさい。」と指示します。
○まずは、こんな簡単な問題でいいのです。
 ・どんな黄色?
 ・どのぐらいの大きさのバケツ?
 ・だれのバケツ?
 ・いつからあったの?
 ・だれが見つけたの?
 ・バケツの材質は?
○次第に大事な問題が出てきます。
 ・バケツで何をしたの?
 ・バケツに何をいれたの?
 ・バケツで何をしたいの?
 ・全部で何回バケツの所に行ったの?
 ・一日のうち、何パーセントぐらいバケツの所にいたの?

 自分たちで作った問題は、自分たちで解きたくなります。
 こんな問題を答え合っていくと
 ・きつねの子が、毎日ずっとバケツのそばにいて、触ったり空想したりしてることが分かります。
 ・その頻度は尋常ではありません。
 ・雨の日だって、朝早くだって、夜だってバケツの所にいます。
 そんな事に気づくのです。これが能動的な読みです。 

黄色いバケツって、どんなお話?

 小問題を解いたら、いよいよ大問題を作りたいと思います。
 それには物語の「変だ」「おかしい」を探します。
 あまりに広範囲からそれらを探すのは難しいので、範囲を絞るためです。
 「バケツのほしかったきつねの子が、物より思い出を大切にするようになる話。」
 「バケツのはしかったきつねの子が、手に入らなくても満足する話。」
 「バケツのはしかったきつねの子が、手に入らなくてもすっきりして悲しまない話。」

黄色いバケツの「変だ」「おかしい」を探そう

 前項目の「どんな話」を読むと、「変だ」に気づきます。
 あんなに、毎日何回もずっとそばにいたのに、それはバケツを手に入れるためなのに
 バケツがなくなっても「いいんだよ」なんて言うのは、絶対変です。

黄色いバケツの「大問題」「中問題」を作ろう

。「大問題」は、なぜほしかったバケツがなくなったのに、「もういいんだ」と言ったのかです。
 でも、これを学ぶために、いくつか考えたい問題がでてきます。
 これらを「中問題」と言います。
 「中問題」は、
  ・夢はどこからどこまで
  ・バケツはいつなくなったの 
  ・どうしてぐっすりねたの?
  ・バケツに執着しなくなったところはどこ?
  ・「どっちでもいい。」のどっちは、何と何?


黄色いバケツの「中問題」を解決しよう

 ・夢はどこからどこまで
 そのばん(日曜日) ねる前に、きつねの子はバケツを見に行きました。
   ・この時点は、寝る前です。まだ夢ではありません。
 きつねの子はバケツに手をふり、月に「おやすみ」を言って、うちへかえりました。
  ・この時点も、寝る前です。「おやすみ」を言っているからです。
  夜ふけに・・・・ここからが夢です。
 「まってったら。」
 大きなこえを上げたとたん、きつねの子は、はっと目をさましました。
  ・ここが夢の終わりのように思いますが、
 今までなら「きつねの子は、朝までぐっすりねむりました。」はあり得ないので、ここもまだ夢かもしれません。
 
 下調べして、証拠があれば「夢の終わり」を追求すればいいですが、どうもはっきりしません。
 話し合っても、結論が出ない場合は、子どもたちの意見を尊重し、それ以上深く追求しない方がよいです。


黄色いバケツの「大問題」を解決しよう

どうして、あんなに欲しかったのに、「いいんだよ」と言ったのか。
 Aあきらめた。
 Bもう満足したから。

「いいんだよ、もう。」と話す根拠は、この会話の前にある。
根拠になる文は、どっち?
@
たった一週間だったのに、ずいぶんながいこと、黄色いバケツといっしょにいた

ような気がしました。
Aその間、あの黄色いバケツは、ほかのだれのものでもなく、いつも自分のものだ
ったと、きつねの子は、思いました。
@たった一週間だったのに、/Aずいぶんながいこと、/B黄色いバケツと/
   Cいっしょにいたような気がしました。

@「たった一週間だったのに」、を選んだ場合
「たった」って何?  短文を作ってみよう。

@たった一週間だったのに、/Aずいぶんながいこと、/B黄色いバケツと/
   Cいっしょにいたような気がしました。

たった10匹なのに、うるさい声で鳴いた。
たった3個なのに、袋がいっぱいになった
「たった」〜「のに」は一続きで、たったAのにBとなり
          Aから考えられない、Bという結果になるという意味。
A=一週間とは思えないぐらい B=ずいぶん長いこといた
ずいぶん[1]【随分】―に/―と 普通見込まれる程度をはるかに超えていることを表わす。
ということは、
 (問い)どれぐらいと感じたの?
@3日ぐらい
A一週間ぐらい
    B二週間ぐらい
    C一ヶ月ぐらい
※すごく長い間黄色いバケツと一緒にいたように感じたから、もう満足なんだ。

Aずいぶんながいこと、を選んだ場合「どっちが長いの?」と聞く。
@ずいぶんながいこと
  Aながいこと
ずいぶんを使った短文。
象の鼻は、ずいぶん長い。
朝顔の花は、ずいぶんたくさん咲く。
※ずいぶんがつくと、思っているより多いってこと。
    ずいぶんながいこと、では、「思っているより長い」とはどういうこと? 
たった一週間って短いのに、思っているより長い間だと思った。
(問い)どれぐらいと感じたの?
@3日ぐらい
D一週間ぐらい
    E二週間ぐらい
    C一ヶ月ぐらい
※すごく長い間黄色いバケツと一緒にいたように感じたから、もう満足なんだ。

Cいっしょにいたような気がしました。を選んだ場合
@ABのどの部分とつながりますか? 次のABCのどれ?
A @たった一週間だったのに、Cいっしょにいたような気がしました。
B Aずいぶんながいこと、Cいっしょにいたような気がしました。
C B黄色いバケツとCいっしょにいたような気がしました。

何と何が一緒にいたの? きつねが黄色いバケツと
(問い)どれぐらい長い間と感じたの?
@3日ぐらい
A一週間ぐらい
    B二週間ぐらい
    C一ヶ月ぐらい
※すごく長い間黄色いバケツと一緒にいたように感じたから、もう満足なんだ。

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