追求を可能にする最も重要な条件は、学級内に複数の異質な意見が存在することです。
そのためには、『安心して自由にものが言える雰囲気づくり』がまず大事です。
選択問題などに答えさせるとき、「分からない人は、山勘で答えてもいいよ。いい加減でいいんだから」と言って、全員が気楽に安心して参加できる状況を作り出します。
まず、どれを選択したらよいかを一人ひとりに自分で考えさせ、どれかを選択させた上で、全員を対象に挙手を求めます。その際、重要なことは、必ず「まだの人?」と全員が選択したか確認をすることで、絶対に見切り発車をしてはいけません。
いつでも、全員を対象にすべきなのです。
第1日目から次のように宣言します。
原則として「自分から挙手して発言する子どもは指名しない」という「指名の原則」が、極めて重要です。
「先生は、手を挙げてない人の意見を聴きたいので、これからは手を挙げていない人たちを当てるようにしていく。いつ当てられてもすぐ答えが言えるように、用意しておいてほしい。発言は、いい加減でかまわない」
その他にも、以下のことは有効です。
1 教師や他の子どもに対して、ほんのわずかでも反応(つぶやき、うなずき、手の動き など)があれば、
それを見逃さず、言いたい事を引き出したり、認めたり、ほめたりして、
それも授業への立派な参加だと位置付けてやる。また、反応したら一緒に喜ぶ。
2「挙手しない・発言しない子ども」の原因を次の3つのタイプに分け、
どのタイプに属するかを、できるだけ早くつかみ、その原因を除去する。
a 問いを聴いていない(覚えない)
b 問いを聴いても答えを考えない
c 答えはもっていても発表しない
3 いくら指名しても黙ったままの子どもの場合、答え方を教えるなどして、
あらゆる方法で答えを引き出し、その発言を生かすようにする。
とにかく、教師の徹底した支援で、発言に成功させることが大事。
積極的に発言できる子どもには、友達の発言を聴いてから、それと比較をして、その発言につなげて、
@問題を作る
A違った意見を言う
B新しく何かを発見する
などができるように、新しい役割を教えることが大事です。
つまり、大事な所で発言をするのが役割で、後の所では遠慮して挙手しない・発言しない子ども」に譲るということを教えるのです。