本文へスキップ

教師が変わる.授業が変わる.子どもが変わる


   

「考えをもつ・表明する」習慣づくり

追求を可能にする最も重要な条件は、学級内に複数の異質な意見が存在することです。
そのためには、『安心して自由にものが言える雰囲気づくり』がまず大事です。

「間違えること」を勧める

 「教室は間違える所。どんなことを言っても先生が責任をもつし、何でもいいものに変えるから、
とにかくどんどん自分からしゃべって間違えてほしい。
どんな一流の人でも、みんな間違えたり失敗したりして、成長してきた。
間違えない人は成長できないから、どんどん間違えよう!」
 時には教師も間違えて否定される場を作ったりして、子どもたちが、分からないことに対しては、
「分からない」と明確に言える雰囲気や、「間違えることは楽しいことだ」という雰囲気を作ることも重要です。
 また、子どもが間違えたり、一見、場違いだったりする意見も、意識的に「○○ちゃんが間違えてくれたおかげで勉強できたね!」と取り上げて、位置付けることで、その子の疎外感や屈辱感が除去され、学級に「間違いや失敗から学ぶ」という文化が生まれることになります。

「選択問題」を多用する

 追求段落探し、追求文探し、中心人物探し、疑問の言葉探し..など、あらゆる場面で選択問題を多用することで、「挙手も発言の一つ」と位置付けます。
挙手する機会をできるだけ多く作り、自分の意見をもつこと、表明することを、繰り返し習慣づけるのです。
追求を可能にする最も重要な条件は、学級内に複数の異質な意見が存在することです。

「発言は、思いつきでもいい加減でもいいこと」を教える

 選択問題などに答えさせるとき、「分からない人は、山勘で答えてもいいよ。いい加減でいいんだから」と言って、全員が気楽に安心して参加できる状況を作り出します。
 まず、どれを選択したらよいかを一人ひとりに自分で考えさせ、どれかを選択させた上で、全員を対象に挙手を求めます。その際、重要なことは、必ず「まだの人?」と全員が選択したか確認をすることで、絶対に見切り発車をしてはいけません。
いつでも、全員を対象にすべきなのです。

「挙手しない・発言しない子ども」を徹底して支援する

 第1日目から次のように宣言します。
原則として「自分から挙手して発言する子どもは指名しない」という「指名の原則」が、極めて重要です。
 「先生は、手を挙げてない人の意見を聴きたいので、これからは手を挙げていない人たちを当てるようにしていく。いつ当てられてもすぐ答えが言えるように、用意しておいてほしい。発言は、いい加減でかまわない」

 その他にも、以下のことは有効です。
  1 教師や他の子どもに対して、ほんのわずかでも反応(つぶやき、うなずき、手の動き など)があれば、
    それを見逃さず、言いたい事を引き出したり、認めたり、ほめたりして、
    それも授業への立派な参加だと位置付けてやる。また、反応したら一緒に喜ぶ。
  2「挙手しない・発言しない子ども」の原因を次の3つのタイプに分け、
    どのタイプに属するかを、できるだけ早くつかみ、その原因を除去する。
   a 問いを聴いていない(覚えない)
   b 問いを聴いても答えを考えない
   c 答えはもっていても発表しない
  3 いくら指名しても黙ったままの子どもの場合、答え方を教えるなどして、
    あらゆる方法で答えを引き出し、その発言を生かすようにする。

 とにかく、教師の徹底した支援で、発言に成功させることが大事。


「気後れしないで発言できる子ども」に新しい役割を教える

 積極的に発言できる子どもには、友達の発言を聴いてから、それと比較をして、その発言につなげて、
     @問題を作る 
     A違った意見を言う 
     B新しく何かを発見する 
などができるように、新しい役割を教えることが大事です。
 つまり、大事な所で発言をするのが役割で、後の所では遠慮して挙手しない・発言しない子ども」に譲るということを教えるのです。


copyright©20XX studies teaching methods all rights reserved.